ここ100年間に関してはこれと言う科学の進歩はみられなかった。と公言して憚らない著者である。この科学万能の時代にあって、自然の仮面を次々と引き剥がしてきたかに見える先端技術の魔法のような効果を思えば大抵の人は吃驚するかも知れない。だが、パソコン無用を生地でゆく著者は、セオリー信奉者の原理的遅滞をすっぱ抜き、既得権絡みの産学複合体に叛旗を翻し、「99%が冷汗もので1%が霊感」の実験室に立て籠もる。古来、狂信家の妄想に過ぎないとされていた<永久運動>に挑戦しフリーエネルギーの開発に専念することほぼ半世紀、漸くその成果を世に問うこととなった。これはいわば21世紀に於けるメシア誕生の馬小屋の奇跡であり、一介の町の技術屋だからこそ手にし得た輝かしい勝利でもある。
それにしても、ほぼ2世紀に渉る発電方法の停滞は何を意味しているのだろうか。著者自身が「超効率インバータ(デゴイチ)」と命名した試作品は、ファラデーの発見した電磁誘導器に変わる「第3起電力」であり、地球レベルの科学水準を遥かに超えたUFOの推進機関と同一仕様でもあるらしい。論より証拠、「学会内部」のしがらみや、新発見に伴う抵抗勢力をものともしない日本発の大激震が原発事故のトラウマを払拭して平和産業に貢献する日ももう間近だ。地球上の知識の積み重ねからは到底想像も出来ない天才的な独創性は異界からのメッセージに違いあるまい。世間から見れば一風変わった研究者だが、この気さくで小柄な一市井人は菩薩示現のオーラに包まれて「拈華微笑」する釈迦の一番弟子・迦葉のような人である。
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