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日付:

 

2009/5/26

 

タイトル:
三位一体モデル
著者:

中沢新一

出版社:

東京糸井重里事務所

書評:

 

 

  チンプンカンプンでわからんぞー、中沢先生。共謀者はご存知、悪乗り芸人の糸井君。<父と子と聖霊>の神学上のドグマは世界の骨格足りえないのに(だからこそ神学)、無理矢理、中沢先生おねげーしますだの一言で敲き台に、忽ち糸井流のこじ付け論法で一丁上がり。チンケな「三位一体モデル」はチェーンの外れた自転車よろしく空回り、坂道だから走ってるだけ。この法螺話のウソ寒さ尋常ではなさそうだ。糸井文庫ならではのモーレツな臭さ。麻原よりも始末が悪い。

 例えば資本主義。聖霊は経済成長でお金で、父は資本家で、子は労働者で消費者、一体全体なに言ってるだべか。アラー崇拝はキリスト教と同じ一神教でも媒介項がないから大地に忠実でデリヴァティブは発生しない。霊が暴れまわるキリスト教は金持ちの一人勝ち社会でアラーの思し召しだけのイスラム社会は貧乏人社会。妙なサンプリングで区分けしたかと思うと、今度は天皇霊と来た。大嘗祭が二位一体の交霊儀式なら我等臣民は一体全体なんだべか。足し算では三位一体でしょ、ホ〜ラ、来ましたね。「精神分析」と「マルクス主義」は一卵性双生児等と利いた風なことも言う。触ると綻びる糸井流パッチワークのお粗末。

 仮令、アマゾンの一円本でも、こんなのを買わされては堪らない。糸井塾の架空講演の収録、チベットへ雲隠れ中のご開祖様には、何とも申し訳ない編集の杜撰さとお見受けした。

 

 

 

 


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