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日付:

2006/05/27

タイトル:
地球大改革と世界の盟主
著者:

白峰由鵬(謎の風水師N氏)

出版社:

明窓出版

書評:
  

 精神世界に於いて、アセンションなる用語は、キー・ワードとして欠かせない。キリストの昇天がその原義。宗派により、空中携挙とも呼ばれ、最後の審判と千年王国が背景にあるらしい。が、キリストも釈迦も弥勒も先師・先哲として仰がれはすれ、信仰の対象として登場はしていない。本書はあくまでも「地球」と言う生き物を通して宇宙原理を読み解く、精神科学の今日的成果としての一報告書である。

 既存の文化体系に新しい記号で参入する精神科学だが、そのアプローチによって流派を異にする。ベンジャミン・クレームのニュー・エイジ・グループ、ラエルによるクローン革命、等がよく知られている。本書が、船井幸雄の圧倒的な支持を得て、俄かに脚光を浴びることとなったのは力点がガイア思想に置かれているからである。マヤ暦が西暦2012年で終わっていることを論拠に終末論を展開。惑星二ビルの接近、フォトン・ベルトへの突入によって地球が5次元にアセンションするというもの。なにやらSFめくが、現代科学の水準に照らし合わせても成程と思わせるものがある。

 奇妙な説得力で意表を突かれるのは、太陽系惑星が3次元宇宙の全てで、その壁の向こうはホロンの世界、物体は跳ね返されて元の状態に戻るしかない。それゆえにアセンションが重大な意味を持つことになる、と言う説。どうやら、シリウスを新しい太陽とする5次元空間に地球自体が変質して生まれ変わるらしいのだ。現在、火星が地球化しつつあるとも言う。

 近未来の人類は三通りの選択肢の中にある。火星に移住する。高度な地底人となって地球の内部に住む。チャンスを生かすことが出来ずに絶滅する。この宇宙変成交響楽は、1961年12月23日にタクトが振られた。指揮台はヤマトの国、日本である。最後の審判による人類14万4千人生存説は、それだけの人の祈念があれば地球の運命は変えられると解釈すべきだとも言う。同時にそれは地球のツボの数でもあり、そのツボが有効に働いてガイアとしての地球が生態変化する。これは、離れ小島の「百匹の猿」が世界を変える、船井理論にも相通じるものがあった。

 企業活動が直接の引き金になって地球世代を締めくくるやも知れぬ。今や5000社の経営指導にあたるコンサルタントとして、環境問題に無関心でいられない船井氏と匿名希望のN氏とは、切っても切れない宿世の仲となった。

 

 

 

 


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